木彫に挑戦しました

7月24日に森本先生が来道された際に私の所に立ち寄り、彫刻刀とお手本の小箱を置いていかれました。
それを前にして「やるしかない」と決心したものの、基本練習を繰り返しては放棄する日々が続きました。


お手本の小箱(左)と課題の小箱(右)

森本先生からのメッセージ(メール)

木彫は来年の夏季研までに形になればと思っております。毎日5分でも刀を持って慣れることだと思います。こつをつかむまでが大変だと思います。楽しみにしております

 


2004.7.30 彫りの作業開始

練習用の板がなくなったので課題に取り組むことにした。
ところが意外にも作業が進み、一日で上蓋の絵柄を彫り上げる事が出来た。
絵柄の周囲の模様(石目彫り)は難しいので後回しにすることにした。

 

森本先生からのメッセージ(メール)

木彫の途中経過の写真を拝見しました。なかなか良く出来ていると思います。
石目彫りには小判型と亀甲型がありますが、小判型に見本を彫っていると思います。この彫は難しいのですが丸刀の練習の効果をあげる近道だと思います。
この木箱の彫ははじめて刀を持った人の基礎彫り(使い方・彫り方)印刀と丸刀の動かし方の練習を身につけるためのものです。
石目彫りに時間がかかると思いますが、一つ一つ丁寧に彫っていただきたいと思います。

 


2004.8.5 彫りの作業がひとまず終了

その後の作業は順調に進み箱の側面もすべて彫り上げたが、絵柄の周囲の模様(石目彫り)だけが残った。
実はこの石目彫りが難しく、なかなか形が揃わない。しかし、最終段階での焦りもあって見切り発車させた。
案の定、お手本とは程遠い出来栄えになってしまったが、初めての作品ということで大目に見てもらいたい。


上蓋


正面


左側面


右側面

 


背側面


上蓋の裏面

まさか1週間でここまで出来るとは予想外の一言に尽きるが、うれしい限り……。

森本先生からのメッセージ(メール)

早い仕上がりに驚いております。石目もきれいに彫れるようになっておしまいですね。

 


手直しや細かい部分をきれいに彫り上げ、彫りの作業はこれで完了。


2004.8.8 塗りの作業

最終段階の塗りの作業は、失敗すればこれまでの苦労が水の泡になってしまうので慎重にならざるを得なかった。
しかし、慣れぬ作業ゆえに何度も塗り返してしまい、結果的に厚く塗りすぎてしまった。(自己満足度=50%)

          

これですべての作業が終わったが、出来栄えに関しては初めての作品ということで大目に見てもらいたい。
恥ずかしながら来年の夏季研究会では森本先生の作品と共に展示させていただきたいと考えているが……。

森本先生からのメッセージ(メール)

木彫の木箱 完成おめでとうございます。
短時間で作成されたので、さすが浅井先生ならではと思います。
来年までの楽しみと思っておりましたが、夏季研が待ち遠しいですね。


作業を終えて……

木彫を初めてやってみたが、思っていたよりはスムーズに作業も進み早く完成させることが出来た。
そこで「木彫って意外に易しい」と気をよくして2作目と意気込んだものの「ゼロ」からのスタートの難しさに直面してしまった。
すなわち今回は下絵がすでに書き込まれていた上にお手本を見ながらだったのでスムーズに出来たのであり、森本先生のお膳立てが無ければ来年の夏季研究会までの完成は到底無理だっただろう。
2作目の構想を練りながら改めて木彫の難しさを痛感しつつ作業の楽しさも実感しているが、果たして2作目はどうなるのだろうか。